額縁額装壁掛鏡の店 純真堂

純真堂ブログ <額装のココロ>

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作家の肖像


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ブログ

2018.03.05

え〜、平素額装業務に携わっていると、時としてハッとさせられるものを額装する機会があります。お客様が持ち込まれるものが素晴らしくて、心を奪われるというか、流行りの言葉でいうと「わし掴み」されるというか、そういうことです。額装する前から感動しているわけですから、僕自身としても額装の完成形が早く見たくなるということが起こります。

 

   

 

今回額装したのはある洋画家の方の若かりし頃の写真です。若かりしといっても学生ではなくて、もうバリバリに現役作家として活動されていた頃で、五十年くらい前の写真だということでした。

明暗のコントラストの強いモノクロ写真で、ご友人の写真家に撮っていただいたとのこと。それぞれ人物を写した写真ではありますが、「作品」としての存在感が十分に備わっていると思うのです。写っている画家の気合の漲る佇まい。そしてそれを余すところなくフレームに切り取る写真家の技量。これは素晴らしい写真作品だと思います。こういう写真作品は額装されるべきですし、こういった仕事には特にやりがいというか、大げさに言えば額縁屋としての「社会的意義」というものを感じます。

この写真の方は洋画家の鵜飼幸雄氏です。とても気さくな方ですが、若い頃のこの精悍な写真をみると半世紀以上にも及ぶひたむきな作家人生の重みを否応無しに感じ、額装の注文をいただいたことだけで、人生についての講義をしていただいたような気にすらなりました。

今回改めてこのような所感を書きましたが、額装をするという行為は、作品や記念の物など、額に入れようと思って持ってこられた方の人生に少し触れさせていただくことに他なりません。僕はそういう気持ちでこの仕事に取り組んでいますし、この仕事の面白さはそこにあると思っているからです。今後も額装を通じて色々色々人生勉強に励んでいく所存ですので、皆さまご指導ご鞭撻よろしくお願い申し上げます。つまりたくさんの注文をお待ちしておりますということで〜す。えへっ。


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