ロシア・ワールドカップ盛り上がってますね。総じて1試合1試合が密度の濃い試合が多くて面白いですね。代表チームとクラブチームのどちらが強いか、どちらの試合が面白いかなどと論じられた時代は遥か遠く、サッカーの真の醍醐味はやチャンピオンズリーグやリーガ・エスパニョーラに完全に奪われたものだと思っていたのですが、各国の代表チームのサッカーは「背負っているものが違う」というところでしょうか。独特の熱量を感じます。
日本代表にも唸らせてもらいました。当初は勝ち点を取ることさえ疑わしいとされていたのに、決勝トーナメント進出、そして優勝候補のベルギーに対してもリードを奪う展開を見せました。攻撃面に関しては持っているものは出せた、と言えるのではないでしょうか。物議を醸しているポーランド戦の終盤の試合運びはともかく、チーム力としてはワールドカップを戦うに十分なものを備えていると証明したと思います。
ただし、僕が日本代表の試合が終わって、残念に思い、そしてやはり釈然としないところはベルギー戦でロスタイムの失点のことなのです。これは僕の偏見に基づいていますが、ハリルホジッチ前監督があの試合の指揮を執っていたら、あの時間帯、あの形での失点はなかったのではないかと思えるのです。以前にハリル氏はインタビューで現代サッカーにおいてはセットプレー以外の大半のゴールはボールを奪ってから10秒強の間に生まれており、それ以上時間がかかってしまうと、ゴールが生まれる確率は非常に下がるというような主旨の話をされていました。彼はその傾向に基づいて攻撃戦術を選んでいたのです。
つまり、ハリル氏からすればあのロスタイムに受けた超速攻カウンター(ボールが渡ってから9秒35で失点)は、一番警戒すべき(攻撃側であれば志向する)ことであったはずです。
現監督の西野氏は試合後の会見で、あのカウンター攻撃を受けることを予測できなかったと述べていました。技術委員長としてハリルジャパンの全練習に帯同していたということを踏まえると、その点にもっとにケアがあれば…と思ってしまうのです。2点の先制から3点取られて負けてしまいました。ディフェンスリーダーの吉田選手は「よくやった、と美談にしてはいけない」とコメントしていました。気骨ある言葉だと思いました。
こちらは水彩画家の伴野重由さんの作品です。森の中のメリーゴーランドに向かう父子の後ろ姿を描かれています。この作品を3種の別々のフレームに額装しました。どの額装が一番見栄えがするのかはお好みだと思うのですが、作品の見え方が額装によって大きく変化することがよくわかると思います。この印象の違いは面白いでしょう。これは額装という行為の大きな醍醐味の一つです。このように、すでに額に入れて飾られているものでも、額やマットを変えてみると、作品の新たな見方を発見するきっかけになると思うのです。もう見慣れてしまったかもしれない作品にも、もう一度出会う新鮮さや愛おしさが生まれること請け合いです。
皆さん、お持ちの作品の額縁を交換してみませんか?これが純真堂が提案するリフレームのススメです。ぜひぜひご一考を〜。
posted by 杉山 真也